怒りの感情への対処についてー「働く人のためのメンタルヘルス・巣ごもりセミナー」について

2026年7月31日の「働く人のためのメンタルヘルス・巣ごもりセミナー」では、「怒りの感情の取り扱い方」をテーマにお話をしようと思っています。
怒りは人間の感情の中でも、原始的でとても基本的な感情です。今回のセミナー内容は、怒りの感情を我慢しましょうという話ではなく、怒りの感情とその結果としての行動として生じる攻撃的行動を分けて考え、その感情の仕組みを理解することで、うまく付き合っていくためのヒントにしてもらうためのものです。

怒りの感情やアンガーマネジメントとは

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怒りは人間の感情の中でも、原始的でとても基本的な感情です。アンガーマネジメントとは、この怒りの感情とその結果としての行動として生じる攻撃的行動を分けて考え、対処する方法についての理論です。

アンガーマネジメントの歴史は、1970年代にアメリカで暴力を振るってしまう軽犯罪に対する矯正プログラムとして、認知行動療法をベースにした対処法から発展しました。日本では、米国で学びを得た安藤俊介氏が2011年に設立した一般社団法人・日本アンガーマネジメント協会が中心となって啓蒙・普及に取り組み、アンガーマネジメントということばが社会的に知られるようになりました。アンガーマネジメントの詳しい概念は知らなくても、怒りをやり過ごすための「6秒ルール」というのは聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。

セミナーでは怒りの感情の仕組みを、アンガーマネジメントの理論をベースに、わかりやすく解説していきたいと思います。即効性のある対処の話というよりは、自分の気持ちや状態を振り返ってもらうための理解を深めることを目的としています。

怒りの感情の背景となるもの

人にとって、感情は自分だけの中で完結しているわけではなく、気づかぬ内に様々な影響を受けています。アンガーマネジメントでは、今まさに怒りの感情が生じるときに、どのようなことが個人の中で起こっているのかについての説明が主となりますが、どんなことが自分の感情に影響を与えているのか、背景となることを知っておくことも大切です。

怒りの感情や攻撃的な行動につながる背景として考えられていることを、いくつか挙げると、どんな家族の中で育ち、どんな仲間と付き合ってきたのかというその人の文化、受けてきた教育などの環境要因、その人が持っている思考のクセなどが考えられています。その人を取り囲む慢性ストレス(仕事上のプレッシャー病気や経済的問題)や、急性ストレス(親しい人との別れ、転居、失業)があることも、又聞きの情報をベースに理解したことなどのコミュニケーションの問題が生じていることも背景要因になります。また、過剰な騒音・混雑した場所の中にいるとき、逆にあまりにも退屈なときにも怒りの感情は湧きやすくなると考えられています。

一例として、新型コロナウイルスが蔓延した2020年では、社会的なロックダウンがなされ、いつもの社会生活が制限され、目に見えないウイルスに対して非常に緊張感のあった時期であったことを覚えているでしょうか?人の移動についても、帰省すら難しくなる人も続出しました。バスや電車などの公共交通機関でマスクをするか・しないかということで、ニュースで取り上げられるほどのトラブルになっていたこともあります。普段どおりの生活の中では許容範囲であったことも、緊張感や不安感が漂う社会の雰囲気の中では、ときには「注意をする」かたちで怒りの感情が表現されていることがありました。社会情勢は、個人の経済的生活だけでなく、感情面・感情統制にもかなりの影響を与えているのです。

他者に怒りを向けられたときにどんな対処ができるか

私が心理士として色々な人と関わる中で、怒りの感情との付き合い方と困っている人たちと同じくらいお会いすることが多いのが、相手の感情に強く影響を受けてしまう人、特に怒っている人が目の前にいると萎縮してしまう、どうしたらよいのか分からないことで困っている人たちでした。世の中では、カスタマーハラスメントという言葉が一般化されてきました。自分としては普通に仕事をしている中でも、理不尽な怒りの感情をぶつけられてしまうこともあるかもしれません。


怒りの感情の仕組みを理解するという知的な理解は、相手から怒りをぶつけられたときに、自分の中で驚いたり、怖いと感じる気持ちが生じたとしても、感情に巻き込まれすぎないための、自分のこころを守ってくれる一つの方法でもあると思います。セミナーではそんなヒントをお伝えできればと思います。
 

次回のセミナーは2026年10月を予定しています。詳細は、セミナーページにご案内していきますので、ご自身のご興味のある内容を選んでお気軽にご参加ください。

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この記事を書いた人

小島 綾子のアバター 小島 綾子 公認心理師

とりのこ心理オフィスは2021年に開室したカウンセリングルームです。
霞ヶ関アーバンクリニック(現在は閉院)線維筋痛症の専門外来での15年の経験を活かし、「痛みを伴う病気」と「女性の困りごと」への心理的サポートを行っています。丁寧にお話をうかがい、ご自身なりの最適解を見つける「切れ目のない支援」が目標です。2026年4月より御茶ノ水にて対面カウンセリングや心理検査も開始しました。